ご相談・提案事例
記録・在庫・勤怠の作業中に、また営業電話。介護事業の事務を止めない一次受付の考え方
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各事業所の在庫を確認し、勤務の情報をまとめ、記録の入力を進める。その途中に電話が鳴り、用件を聞くと営業の案内だった。今回ご相談いただいた介護・福祉事業の運営会社様では、いくつもの事務業務を仕組み化したいという話の中で、電話の一次対応も改善対象として浮かび上がりました。
主な相談は、モニタリング記録、在庫・発注、勤怠管理などの効率化でした。電話については、多いときに1日30〜40本ほどかかってくるというお話があり、事務側で断っている営業電話も少なくありません。件数は現場の説明による目安であり、すべての着信を集計した確定値ではありません。
この段階で電話の導入が決まったわけではありませんが、相手の用件を会話で聞き、必要に応じて担当者へつなぐ考え方に関心が寄せられました。複数の業務改善を同時に考える会社で、電話の入り口をどこまで整えるべきか。相談をもとに、運用を具体化するための論点を紹介します。
ご相談の概要
- 事業
- 複数拠点での介護・福祉事業運営
- 相談の背景
- 記録・在庫発注・勤怠などの事務作業の効率化
- 電話の課題
- 営業電話を含む着信への一次対応と取り次ぎ
- 提案の範囲
- 会話による用件確認、条件に応じた転送・記録・通知
- 判断に必要なこと
- 対象業務、費用、優先順位、既存運用との関係の整理
事務の負担は、一つの大きな作業だけでできていない
先方では複数の事業所を運営し、日用品の在庫報告や発注、勤務情報の確認などを行っていました。フォームとLINEの報告が一致しない、給与計算用に情報を移すときに入力が乱れるといった課題があり、記録をそろえること自体に時間が必要だったという背景があります。
こうした作業は、途中まで見た情報を覚えながら進めるものです。電話対応の負担を見るときには、通話していた時間だけでなく、作業を止めて用件を判断し、元の確認に戻る流れにも目を向ける必要があります。ただし、その中断時間は今回の打ち合わせでは計測されていません。
相談の全体像から考えると、電話だけを独立した費用として扱うより、事務がどの仕事をしている間に受けているかを確認すると優先順位を決めやすくなります。入力を自動化して生まれる時間と、取り次ぎを減らしてまとまって使える時間を分けて捉えるのが、今回の編集上の着眼点です。
営業電話を減らしたい。その一方で必要な連絡は受けたい
電話の話題では、営業電話を事務側で断ることや、しつこくかかってくる電話の煩わしさが語られました。一方で、かかってきた電話を受けないわけにはいかないという感覚も示されています。電話を単純に少なくするだけでは、先方が求める受付の役割を満たしません。
ここで整理すべきなのは、営業という名乗りだけで処理を決めることではなく、相手が誰で、何の連絡をしたいかという情報です。今回も、応募の用件だと名乗って取り次ぎを求める営業があり得るという話が出ました。入り口の言葉と実際の用件を分けて聞く設計が必要になります。
具体化の際には、現在よく受ける電話の種類を事務担当者と確認したいところです。すぐに取り次いでいる用件、一度内容を預かっている用件、断ってよい案内を整理します。事務担当者が日常的に行っている判断を言葉にすることが、AIへ一次受付を渡す前の準備になります。
番号を押してもらう受付と、用件を話してもらう受付
打ち合わせでは、問い合わせの人が番号を押して選ぶ仕組みなのか、という質問がありました。それに対し、AIが会話の中で用件を理解し、問い合わせや採用などの内容に応じて対応を分ける方法を説明しています。先方の関心は、相手の話から行き先を変えられる点にありました。
例えば採用に関する連絡なら、その用件として必要な内容を聞く。担当者にすぐつなぐ場合もあれば、一次受付だけで終える場合もあるという説明でした。これは相談時に示した構成案であり、先方の全ての電話に対応できる運用が完成していたという意味ではありません。
台本を作る段階では、最初の一問を短くし、相手が用件を伝えられるかを確かめる必要があります。分類のために質問を重ねすぎれば、今度は発信者の負担が増えます。よくある電話で必要情報がそろう最小限の問いから始め、迷う場面を人へ渡す形が考えられます。
転送・通知・記録は、電話の後に誰が動くかから選ぶ
一次受付後の動きとしては、担当者への転送、内容の記録、LINEやメールなどでの通知が説明されました。何を使うかで運用や費用が変わるため、通知できるという説明だけで、先方の既存の連絡網と接続済みだと考えないことが重要です。実際の構成はこれから詰める段階でした。
転送する場合は、電話を受ける担当者が不在ならどうするかが残ります。記録する場合も、誰がいつ確認するかが決まらなければ、電話の後の仕事が止まります。すぐにつなぐ用件と、内容を読んで折り返す用件について、それぞれの担当と完了の基準をセットで決めたいところです。
複数拠点で使うなら、本部への電話と各事業所への電話が同じ流れでよいかも確認事項になります。今回の資料には回線ごとの詳しい内訳はありません。まず現在の電話番号と受け手を把握し、通知の送り先を増やしすぎず、受け取った人が次に動ける設計にすることが必要です。
| 一次受付後の動き | 先に決めたいこと |
|---|---|
| 担当者へ転送 | つなぐ条件と不在時の扱い |
| 内容を記録 | 確認する担当と確認のタイミング |
| 通知して折り返し | 通知先と、誰が連絡を完了させるか |
記録・在庫・勤怠と同時に進めるから、電話の優先順位を決める
先方は電話以外にも、モニタリング記録の下書きや在庫発注の整合、複雑な勤務形態の管理に関心を持っていました。導入に使える予算と、どこまでの改善ができるかが判断材料です。電話だけの効果を強く見せるより、事務全体の中で何から着手するかを整理する必要があります。
この相談で特に関心が高かったのは記録作成の自動化で、電話は打ち合わせの中で追加して話されたテーマです。したがって、電話が最優先の導入項目だと断定することはできません。費用や利用量を明らかにして、他の改善に使う予算や現場の準備と並べて判断する段階でした。
先方からは、補助金の利用可否を確認して考えたいという意向も示されました。ここでは制度の適用や支給は確認されていません。電話の構成案そのものの必要性と、資金面の条件を分けて整理すると、外部の条件が変わった場合にも、必要な改善の範囲を見失わずに済みます。
最初に測るのは、何本減ったかより、何が止まらなくなったか
今後試す場合には、着信件数の内訳、一次対応にかかった時間、転送や折り返しの発生を記録することが考えられます。今回示された1日あたりの件数は目安なので、利用量を確認しなければ費用も比べにくくなります。営業電話が多い日と、必要な問い合わせが多い日を区別して見たいところです。
事務の負担については、電話の後に用件を聞き直した回数や、通知を見てすぐ対応に移れたかも確認できます。電話を自動で受けられても、必要情報が足りず毎回再確認するなら、改善した範囲は小さくなります。これらは相談を踏まえた評価案で、実際に測定された成果ではありません。
今回の資料で確認できるのは、業務改善の相談と、AIによる電話の一次受付への関心です。運用開始や削減効果は未確認です。事務が抱える複数の作業を見ながら、電話の入り口を整える。その順序で考えることが、現場が使い続けられる改善案につながります。








