ご相談・提案事例
訪問先で話す相手は、警備を発注する人か。交通誘導警備の営業が考えた、アポの質を揃えるAI電話
公開日:

アポイントは取れた。それでも訪問すると、相手はサービスの発注を担う人ではなかった。電話営業の費用を比較する際、この違いを見落とすと、安く見えたアポイントに営業の時間が吸収されます。交通誘導警備を提供する会社様との相談では、会える件数より、必要な相手と話せる条件が重視されました。
同社は、建設会社や土木会社へ新しい取引を提案していました。社内では営業をほかの仕事と兼務する担当者もおり、外部の営業代行も活用しています。警備員が増える中で年間を通して取引先を探す必要がありますが、架電の負担を各担当者へ積み増す方法には限りがありました。
AI電話の相談は、既存の営業代行に大きな不満があるから始まったものではありません。現在の成果を前提に、商談の質を保ちながら費用対効果を改善できるかを確かめたいという意向です。打ち合わせで整理した、担当者の役割、台本、会話の長さ、比較の条件をご紹介します。
ご相談の概要
- 事業
- 交通誘導警備
- 架電先
- 対象エリアの建設会社・土木会社
- 現在の体制
- 兼務を含む社内営業と、成果報酬型の営業代行
- 主な課題
- 架電負担を増やさず、発注担当者と話せる商談を確保したい
- 比較の目的
- アポ件数の増加より、質を揃えた費用対効果の改善
警備員が増える中で、継続して取引先を探す
交通誘導警備は、工事に伴って利用されるサービスです。同社は建設・土木会社に対し、繁忙期に備えて利用できる警備会社の一社として取引を提案していました。既存の警備会社との関係をすべて変えてもらう話に限らず、必要なときに声をかけてもらう選択肢に加わることが、営業の入口になります。
同社の説明では、人が電話をかけた際のアポイント獲得は一定の手応えがある状況でした。一方、営業専任の人だけで回しているわけではなく、ほかの業務を兼ねる担当者もいます。架電の時間を増やすと、元の仕事の品質にも影響しかねません。兼務の仕事から負担の大きい部分を切り出すことも、外部の営業代行を使う理由でした。
警備員の増加に合わせ、年間を通して新しい取引先を探す必要もありました。そこでAI電話が、新しい手段の一つとして比較の対象になりました。単に電話担当者を増やすのではなく、現在の社員が担う仕事と、新規取引の入口をどう両立させるかが背景にある相談です。
既存の営業代行を、まず正しく理解する
相談時には複数の営業代行会社を使っており、アポイントごとに料金が発生する形が中心でした。一定の件数が上がり、リストの準備なども任せられるため、同社としては運用の手間が小さい方法です。AIを比較する際にも、電話をかける部分だけを取り出して費用を比べると、現在任せられている仕事を見落としてしまいます。
過去には、アポイントを取って訪問しても、発注に関わる相手ではないなどの問題を経験していました。そのため、件数が届けばよいという基準ではありません。現在の手段に対しても、対象エリアや相手の役割など、営業として意味のある会話ができる条件を重視していることが分かります。
この背景から、AIで同じ費用をかけたら何件話せるかという説明だけでは判断しにくいという反応がありました。必要なのは、同じ条件を満たす商談を作れるかという比較です。リスト準備、架電、結果の確認、訪問前の準備まで含めて、誰がどこを担うかを揃える必要があります。
肩書きより、警備を発注する役割を確かめる
先方が明確に求めていたのは、警備員を発注する担当者とのアポイントでした。総務や受付へつながればよいという話ではありません。会社ごとに発注を担う部署や役職は変わるため、決裁者という抽象的な言葉だけでは、AIが呼び出す相手の条件が曖昧になります。
台本へ落とすなら、警備会社への依頼を担当しているかという役割を確認する考え方が必要です。担当者が不在であれば、受付の方が答えられる範囲と、本人へ確認すべき内容を分けます。名前だけが分かった状態を、担当者と話して訪問に合意した状態と同じに扱わないことが重要です。
対象エリアも、訪問の前提になります。場所が合わなければ、商談が設定できてもその後の対応が難しくなります。今回の相談を実務へ進める際には、対象地域、担当する役割、訪問で説明する内容の三つを基準にし、どの事実が確認できたかを営業へ渡す設計が考えられます。
| 確認する条件 | 営業が必要とする理由 |
|---|---|
| 対象エリア | 提供・訪問できる範囲に合うか |
| 発注を担う役割 | 警備の取引に関する話ができるか |
| 訪問の目的への合意 | 見積もりやサービス説明を聞く認識があるか |
| 日時と担当者 | 訪問前の確認と準備を行えるか |
現在使っている台本と録音から、会話の境目を探す
商談では、営業代行会社が独自に作った台本を推測する案も出ましたが、実際には同社が作成した台本を渡して使っていることが分かりました。まず確認すべき材料が、自社にあるということです。新しい言い回しを一から考える前に、現場で使っている説明と、実際の通話の流れを照らし合わせることができます。
先方は、電話では詳しい話をしすぎず、見積もりを持って訪問する機会を作る方針でした。ただ、相手から質問が続くと長い会話になる場合もあります。原本では、実際の録音に短いものも長いものもあると確認されました。平均時間だけを置くより、受付で終わる通話と、担当者との訪問調整へ進む通話を分ける方が実態に近づきます。
AIへ任せる場合も、答えてよい概要と、訪問時に人が説明する内容の境目を決めます。質問を無視して訪問へ進めるのではなく、相手が会う目的を理解できる情報は伝える必要があります。現在の台本の意図を保ちながら、会話が長くなった場面や、担当外の相手に進んだ場面を確認することが準備になります。
途中の発話や断りへの反応も、方式選びの条件にする
会議の終盤には、AIの説明中に相手が話し始めたらどうなるかという質問がありました。受付では、用件説明の途中に確認が入ることがあります。最後まで話を流してしまうと、相手が伝えた内容を受け止めていない印象になります。声が自然かどうかに加え、相手の発話を待てるかも業務上の確認点です。
商談内では方式による動作の違いが説明されましたが、それを現在のすべての設定へ一律に当てはめることはできません。採用する方式と台本で、実際の会話を試す必要があります。受付からの問い返し、担当者不在、会話中の割り込み、不要という返答などを含めて確認すると、運用で直す場所が具体的になります。
AIであることへの質問や、電話を終えたいという意思への対応も話題になりました。正体を尋ねられた際に説明し、相手の意向に合わせて終了できることは、関係を損なわないための設計です。受付を通過する件数だけを追わず、将来の取引先として適切なやり取りになっているかを確認します。
商談の質を揃えて、費用対効果を判断する
先方が最終的に優先したのは、アポイントを大幅に増やすことより費用対効果でした。そのため次の提案では、現在の営業代行の条件や通話の長さを踏まえ、より具体的な資料を作る流れになりました。AIで想定される通話量だけを示すのではなく、必要な商談を作るまでの費用を考える必要があります。
評価の単位としては、対象エリア内で発注担当者との訪問に至った件数を見ます。そのうえで、訪問前の確認にかかった時間や、条件違いで対応できなかったケースも残します。通話単価が低くても、営業が再確認する仕事が増えれば全体の負担は変わります。逆に、条件が揃って渡れば訪問の準備を進めやすくなります。
原本で確認できるのは、音声を体験し、両方式を比較した提案と次の打ち合わせを希望する段階までです。同社での稼働開始や費用削減の結果は確認されていません。今回の相談は、AI電話の良さを評価する前に、自社にとって意味のあるアポイントの条件を言葉にした事例です。








