ご相談・提案事例
たくさん転送されても、営業が受けられない。広告企画会社が考えた、掲載への関心と架電量の設計
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電話を増やせることが、そのまま営業の成果になるとは限りません。関心を持った相手へ詳しく説明する人の時間にも限りがあります。新聞や雑誌への掲載と、Web上での紹介を組み合わせた広告企画を提供する会社様との相談では、AIの発信量より、営業が受け取れる量を先に考える必要が見えてきました。
同社は、全国の事業者へ電話で企画を案内していました。通販、求人、観光など提案先の範囲は広く、オンラインで候補を探して連絡する業務があります。初めての相手に電話をかけるため、受付で止まることもあれば、広告について詳しく聞きたい相手に出会うこともあります。
ご相談で繰り返されたのは、受付を通過するだけで十分か、広告自体への関心まで確かめるかという問いでした。さらに、どのリストを使い、どこまで営業が対応できるかが費用判断にも関わります。本記事では、導入前の打ち合わせから、広告掲載の見込み先を人につなぐ設計を紹介します。
ご相談の概要
- 事業
- 新聞・雑誌への掲載とWebでの紹介を組み合わせる広告企画
- 現在の開拓
- オンラインで候補を探し、電話で全国の事業者へ案内
- 最初の対象候補
- 通販事業者やネットショップ
- 相談した範囲
- 掲載関心の確認、有人転送、折り返し、リスト準備
- 次の作業
- 対象別のリスト案と、受け手の規模に合う見積もりの確認
幅広く売れる広告企画ほど、最初の対象を決めにくい
同社の企画は紙媒体への掲載だけで終わるものではなく、Web上に情報ページを作って紹介する内容も含んでいました。商談では、全国へ案内できることや、複数の業種に提案できることが説明されています。通販の商品のPRから求人企画まで幅があるため、電話をかけられる対象も多く見えます。
一方、対象が広いままでは、最初の一言も、相手の関心を判断する基準も定まりません。求人の広告を提案する会社と、商品の認知を広げたいネットショップでは、話を聞く理由が違います。どちらにも使える台本を作ろうとすると、相手が自分に関係する話だと判断する材料が薄くなるおそれがあります。
打ち合わせでは、最初の対象として通販事業者を軸にする方向が話し合われました。取り扱う媒体の広さから、通販の企画は提案先を合わせやすいという理由です。事業全体の対象を狭める話ではなく、一回目の検証を読み取れる形にするために、どこから始めるかを決める考え方です。
広告の話を聞きたい相手を、人へつなぐ
先方が求めていたのは、単に受付を通過した電話ではありません。広告の件だと伝えた際に、詳しく聞こうとする相手と、不要と返答する相手を分け、関心のある会話を営業が担いたいという意向でした。受付を通過することだけを終点にすると、営業が改めて関心を確かめる作業を引き受けることになります。
提案では、用件を説明し、掲載企画への関心を一定の範囲で確かめたうえで、詳しい担当者へつなぐ流れを整理しました。営業が行う詳しい説明や契約の相談までを、最初からAIに任せる前提ではありません。どの時点で人が話すと自然かを、現在の電話の取り方に合わせて考えます。
ただし、質問が返ってきたことだけを契約意向と同じに扱わないことが必要です。企画の内容を知りたい、費用の有無を確かめたい、担当者へ確認したいなど、質問の理由はさまざまです。引き継ぐ際は、相手が実際に尋ねた内容と、続きの説明を希望したかを残す設計が考えられます。
転送と折り返しを、相手の合意と受け手の状況で選ぶ
その場で詳しい説明を希望する相手に、営業へ電話を転送する方法が説明されました。電話を切らずに続けられれば、関心を示した直後の会話を引き継げます。ただし、転送先の営業が対応できることが前提です。機能として接続できても、人が受けられなければその接点を活かせません。
もう一つの方法として、担当者の氏名や連絡先を確認し、後から人が連絡する案も挙がりました。折り返しなら、営業は前の通話を確認してから説明を準備できます。一方、連絡の用件やタイミングが伝わっていなければ、相手はなぜ再度電話が来たか分からなくなります。折り返しへの合意も、確認項目に含める必要があります。
実際の台本では、今すぐ説明を聞きたい場合、後の連絡を希望する場合、説明を希望しない場合を分けます。希望しない相手に別の入口を重ね続けることが目的ではありません。広告企画に関する会話を望む相手と営業がつながるように、引き継ぎの条件と終わり方を決めます。
営業が受け取れる量から、発信を逆算する
会議の後半で明確になったのは、同社が大規模な一斉発信そのものを求めているわけではないという点でした。少数の有望な会話を毎日受け取れればよく、一度に多くの電話が来ても困るという意見がありました。営業の規模に合わせた発信を考えることが、今回の費用対効果の前提です。
この場合、発信できる最大件数を基準に計画すると、受け手に負担が集まります。詳しい説明にかかる時間、既存顧客への対応、資料の準備なども営業の仕事です。受付を通過した件数から先に目標を置くのではなく、営業が一定の品質で対応できる見込み先の量を出発点にします。
運用案としては、時間帯を区切って発信する、転送の対象を絞る、折り返しを含めて対応待ちの件数を確認する方法が考えられます。これらは原本の要望を実務へ落とす際の設計項目です。まだ同社で稼働している仕組みとして示すものではなく、受け手の状況を確かめながら決める部分です。
営業が詳しい説明を行える時間と件数の目安を出す。
掲載への関心を確認する台本と引き継ぎ条件を決める。
対象リストを絞り、受け手に合う発信規模で試す。
対応待ちと商談内容を見て、発信量を調整する。
リスト準備の工数も、電話の費用と一緒に見る
同社はネットショップなどへアプローチしており、打ち合わせでは複数のECプラットフォームが候補として挙がりました。企業名、電話番号、Webサイトの情報を揃えたリストをどう準備するかが、導入判断の重要な論点です。電話の仕組みだけがあっても、案内したい対象が整理されていなければ運用は始められません。
リストを自社で準備するか、外部へ作成を依頼するかによって、必要な作業と見積もりの項目は変わります。原本では、候補の情報を少数確認し、どの情報が揃うかを示す話がありました。電話番号があるかだけでなく、どの媒体から集めた情報か、どの条件で対象にしたかが分かる状態にしておくことが必要です。
携帯電話番号を含む対象への関心も示されましたが、固定番号の企業と同じ前提で扱うことはできません。つながる相手や通話の条件が異なるため、費用の想定も対象別に確認します。候補の件数、情報の揃い方、リスト作成の工数、電話の会話時間をひとつの計画として見ることが求められます。
比較する二つの案を、会話の終点まで揃えて示す
次の提案に向けて、受付対応までを担う案と、広告への関心を確認してから引き継ぐ案を比べる話になりました。前者は会話を短くしやすい一方、人の確認作業が残ります。後者は営業が受け取る条件を揃えやすくなりますが、AIが担当する説明や確認が増えます。比較には、両方の工程を見る必要があります。
見積もりに添える材料としても、何件発信できるかだけでは足りません。どのリストを使うのか、一回の電話で何を確認するのか、人がどこから話すのかが分かれば、同社の対応量と照らして判断できます。会議で示された想定のアポイント数や契約率は、同社での実測として扱いません。
この時点では、リストの準備方法や試算を資料にまとめ、次の打ち合わせで確認する段階でした。運用の開始や成果の増加は確認されていません。今回の相談が示すのは、AI電話の規模は機械側の能力だけで決めず、人が関心を受け止めて説明できる量から設計する必要があるということです。








