ご相談・提案事例
アポが取れても、決裁者と話せなければ進まない。広告会社が組み立てた店舗向けAI電話
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アポイントは取れている。外注先との費用対効果も合っている。それでも、自社でもう一つ開拓手段を持ちたい。今回の広告会社様のご相談は、既存の営業を一律に置き換える話から始まったわけではありません。どの相手に会えるようにするかという、商談の中身が主な論点でした。
先方は、店舗向けの集客支援を扱っています。営業代行から紹介される商談には大きな会社の本部担当者も多く、話を聞いてもらえても情報収集で終わる場合があるとのことでした。もっと店舗のオーナーや決裁権を持つ方へ直接案内したいという希望がありました。
打ち合わせは、店舗向けの電話から、ほかの事業での活用や予算配分へ広がりました。ただし、対象も会話の終点も異なる商材を一つにまとめると、何がうまくいったか分かりにくくなります。本記事では、導入前に整理した対象の選び方と、複数の電話業務を動かすための準備を紹介します。
ご相談の概要
- 事業
- 店舗集客・広告支援など複数の事業
- 主な架電先
- 飲食店・美容店舗などの事業者
- 現状
- 営業代行による商談獲得と、別事業のコールセンター運用
- 課題
- 店舗の決裁者へ直接案内する経路を増やしたい
- 準備した論点
- 商材ごとのリスト、台本、予算配分、引き継ぎ条件
既存の外注が機能していても、会いたい相手は別にいる
先方では、営業代行にアポイント獲得を依頼し、自社で商談する体制がありました。その費用対効果には一定の納得があり、既存の外注は成果が合う限り続けたいという意向です。AI電話は、この経路に追加する自社発の新規開拓手段として相談されました。
本部にマーケティング担当者がいる企業では、提案を聞いてもらえる一方、その場で意思決定できるとは限りません。先方が増やしたかったのは、店舗のオーナーや判断権限のある方との会話でした。同じ一件の商談でも、誰と何を話す機会なのかによって営業が次に取れる行動は変わります。
このため、比較する指標も単純なアポイント数だけでは不十分です。相手の役割、相談した内容、意思決定に向けた次の予定まで見ていく必要があります。本部との関係づくりに意味がないということではなく、既存の外注で得られる接点と、自社で増やしたい接点を分ける考え方です。
店舗の営業時間を、会話できる時間と混同しない
店舗への直接架電では、電話が鳴っても接客で対応できない場面があります。つながっても、予約の連絡だと思って受けたところに営業の説明が始まれば、会話は短く終わりやすい。先方は、企業の本部へかける場合とは反応が異なることも踏まえて、店舗へのアプローチを考えていました。
そこで必要なのは、不在、忙しくて話せない、内容を聞きたい、案内を望まないという返答を分けることです。どれも短い通話になり得ますが、次の対応は同じではありません。台本と結果の分類を一緒に作り、何を受けて終了し、どの反応を担当者へ渡すかを定めます。
運用時には、業種と時間帯を記録し、つながるだけでなく用件を聞いてもらえる条件を確認したいところです。飲食店と美容店舗に同じ時間のかけ方が合うとは限りません。今回、時間帯ごとの比較ができる管理方法も説明しましたが、実際の最適な時間や改善結果が判明している段階ではありません。
店舗向けの集客支援と広告媒体では、リストを分ける
先方は、店舗向けの集客支援に加え、別の広告サービスも扱っています。同じ広告関連の事業でも、後者は出稿予算や商圏との相性が重要になり、小規模店舗への案内と同じ母集団で進めるのは難しいという話でした。売りたい商品が複数あることと、同じ相手にまとめて話すことは別です。
広告媒体には、広告主へ直接提案する経路と、取り扱う代理店を開拓する経路もあります。前者なら出稿の意向、後者なら提携の意向を確かめる必要があります。電話の最初の用件、質問、引き継ぐ情報まで異なるため、商材名を差し替えるだけで同じ会話になるとは考えません。
店舗向けのリストでは業種を把握し、別の商材では対象企業の条件や地域を確かめる。リストと台本の組み合わせごとに結果を見られる形にすると、母集団が足りないのか、伝え方が合わないのかを切り分けやすくなります。大量にかける前に、何を比較したいのかを決めることが必要です。
| 電話の対象 | 会話の目的 | 引き継ぎで確かめる点 |
|---|---|---|
| 店舗のオーナー・決裁者 | 集客支援の案内 | 現状の関心と打ち合わせ意向 |
| 広告出稿を考える企業 | 媒体の提案 | 地域・出稿意向・担当者 |
| 広告代理店 | 媒体の取り扱い相談 | 提携への関心・次の説明相手 |
別事業の電話では、ヒアリングと金額交渉の境目を作る
相談では、生活関連サービスの電話への活用も挙がりました。こうした電話には、依頼内容や現場の条件を聞く工程と、費用の折り合いを付ける工程があります。店舗向けの営業と同じ台本で扱わず、どの情報があれば担当者が次に動けるかを考える必要があります。
打ち合わせでは、AIが一定の情報を聞き、金額を出す前に人へ引き継ぐ案も話しました。料金を聞かれたからといって、条件が足りないまま確定額を案内する設計にする必要はありません。見積もりや日程の判断を担当者に残し、その前提になる情報をそろえるという分担です。
この工程では、電話を受けられる人がいるかどうかも重要です。その場で転送できるのか、いったん内容を受けて後から連絡するのかで、相手への案内が変わります。録音や文字起こしを見てから折り返す運用も含めて、引き継ぎ後の仕事まで検討しました。複数事業への展開は、こうした出口の違いから設計します。
最初の月に動かす商材を絞り、予算の使い道を決める
後の打ち合わせでは、最初に扱う商材と、後から取り組む商材の順番が具体的になりました。先方は複数の用途を希望していましたが、すべてのリストや台本が同時に完成するとは限りません。対象の準備が整っているものから始め、ほかの商材は次の段階へ回すという整理です。
予算も全体額だけではなく、各商材へどの程度配分するかを決める必要があります。対象が多い商材と、条件に合う企業が限られる商材では、同じ金額でも進み方が違います。想定した会話件数は試算であり、アポイント獲得の保証ではありません。実際のリストと応答状況を見て配分を調整していきます。
開始までの準備として、台本、音声、リスト、アポイントにならなかった通話の分類、初月の運用予定が挙がりました。担当者が何を用意し、どこを確認するかが決まることで、複数商材でも確認が止まりにくくなります。この段階では導入へ進める意向が示され、契約書案と初回の打ち合わせを準備する流れになっています。
増やすのは会話だけでなく、判断できる材料
複数事業でAI電話を試す場合、全体の件数だけを見ると、ある商材の好調が別の商材の課題を隠すことがあります。店舗向けの案内、生活サービスのヒアリング、広告の提携相談は、それぞれの終点を持っています。成果の定義をそろえるのではなく、商材ごとに何が進んだかを見ます。
店舗向けであれば、決裁者への接続と商談の内容を確認する。生活サービスであれば、担当者が見積もりや日程の話を始められる情報がそろったかを見る。こうした評価方法は今回の相談を踏まえた運用上の提案です。公開できる実測の獲得数や売上効果は、まだ確認されていません。
今回の出発点は、電話を安くたくさんかけることだけではありませんでした。会いたい相手を増やし、事業ごとに無理なく次の会話へつなぐことです。リスト、台本、受け手、予算をひと組で考えると、AI電話を追加したときに何を確かめるべきかが明確になります。








